不妊治療用語集
用語 | よみがな | 英文 | 同義語 | 用語解説 |
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アゴニスト | あごにすと | GnRH Agonist | 下垂体のゴナドトロピンの受容体に結合して排卵を強力に抑制する薬剤。もともとは子宮内膜症や子宮筋腫の治療に開発されたが、体外受精の排卵コントロールに用いられるようになった。副作用として一時的にLH,FSHを大量に放出するフレアアップ現象があり、これを利用して排卵のLHサージの誘発に利用されることもある。 | |
アシステッドハッチング | あしすてっどはっちんぐ | AHA | 孵化補助 | 受精卵が透明帯から容易に脱出(孵化)・着床できるよう、透明帯を薄くしたり、開孔したりする技術。最近ではレーザーを使用することも多い |
アッシャーマン症候群 | あっしゃーまんしょうこうぐん | Asherman's syndrome | 子宮腔内癒着症 | 頻回の子宮内膜掻爬術によって子宮内がくっついてしまう症候群。月経が来なくなったり、不妊症の原因となる。 |
アンタゴニスト | アンタゴニスト | GnRH Antagonist | アゴニストとは異なり、フレアアップ現象がなくLHを低下させるため、早発LHサージの予防に使用される。これを使用した方法がアンタゴニスト法である。欠点として注射しかなく、また強力すぎてエストラジオールなどが急激に低下してしまい卵胞や子宮内膜への悪影響の可能性が指摘されている。 | |
アンドロゲン | あんどろげん | androgen | 男性ホルモン | 男性ホルモンの総称。テストステロンは最も強力なアンドロゲンである。 |
一卵性双胎 | いちらんせいそうたい | monozygotic twins | 一絨毛膜性双胎 | 1個の受精卵から2つの胎芽が発生したもので、胎児は同一の遺伝構成で同性である。 |
一般不妊治療 | いっぱんふにんちりょう | Fertility treatment | タイミング療法や人工授精までの不妊治療を一般不妊治療と呼ぶことが多い。これに対して体外受精や顕微授精などは生殖補助医療という。 | |
インヒビン | いんひびん | inhibin | 女性では卵胞内の顆粒膜細胞で産生され月経周期のFSH分泌抑制に関与する。 | |
エストラジオール | えすとらじおーる | E2 | 卵胞ホルモン | エストロゲンの一種で、卵胞の成熟によって発生するホルモン。卵巣から分泌され、頚管粘液を増やす作用がある。このホルモンを測定することで、卵胞の発育状態を予測できる。 |
エストロゲン | えすとろげん | estrogen | 女性ホルモン | 主に卵巣から分泌される性ステロイドホルモンの総称。エストロンE1,エストラジオールE2,エストリオールE3などがある。 |
エムアールアイ | えむあーるあい | MRI | 磁気共鳴画像診断装置。磁気を使用して身体の断層写真を撮影する。婦人科においては、子宮内膜症、子宮筋腫、卵巣腫瘍などの検査・診断に用いる。 | |
黄体化ホルモン | おうたいかほるもん | LH | 脳の下垂体から分泌されるホルモン。FSHと協力して卵胞の成熟させ、排卵が近づくと大量のLHを急激に放出(LHサージ)し、排卵の直接的引き金となる。この値から排卵時期を予測することもできる。 | |
黄体化ホルモン放出ホルモン | おうたいかほるもんほうしゅつほるもん | LHRH | GnRH | 脳の視床下部から分泌され、下垂体のLH,FSHの分泌を調節しているホルモン。 |
黄体化未破裂卵胞 | おうたいかみはれつらんぽう | LUF | 卵胞が破裂せず、排卵しないまま卵胞が黄体化する現象。黄体ホルモン産生を認め基礎体温上では2相性の排卵パターンを示す。子宮内膜症に多いとされる。 | |
黄体期 | おうたいき | Luteal phase | 排卵から次の月経までの期間のこと。黄体ホルモンが分泌され、基礎体温は高温相を示す。 | |
黄体機能不全 | おうたいきのうふぜん | Luteal insufficiency | 子宮内膜の分泌期変化が正常に起こらないこと。黄体ホルモンが十分に出ていない状態で着床障害の原因となる。 |
用語 | よみがな | 英文 | 同義語 | 用語解説 |
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カウフマン療法 | かうふまんりょうほう | Kaufmann's treatment | 生理的な月経周期に伴うホルモン動態に類似の環境を再現し治療するホルモン療法。エストロゲン投与に続いてエストロゲンとプロゲステロンをあわせて投与し、人口月経周期を作る。 | |
下垂体 | かすいたい | Pituitary gland | 脳の直下にぶら下がるように存在することから名づけられる。視床下部の調節で、LHやFSH、プロラクチンを分泌するほか、多くのホルモンを分泌する内分泌器官である。 | |
下垂体性無月経 | かすいたいせいむげっけい | pituitary amenorrhea | 下垂体ホルモンが産生されずに排卵障害を起こし無月経になること。通常自然排卵は起こらず、クロミフェンも無効なことが多く、ゴナドトロピン注射が必要になることが多い。 | |
借り腹 | かりばら | gestational surrogasy | ホストマザー | 不妊カップルの配偶子を体外受精させ、受精卵を妻以外の子宮に入れて妊娠出産させること。 |
完全流産 | かんぜんりゅうざん | complete abotion | 胎芽あるいは胎児とその付属物が完全に排出された状態。 | |
奇形精子症 | きけいせいししょう | teratozoospermia | 奇形精子が85%以上の状態。ICSIの適応となる。 | |
基礎体温表 | きそたいおんひょう | BBT | 毎朝覚醒時に安静な状態で計測した体温を基礎体温で、それを表にしたものが基礎体温表と呼ばれる。排卵していれば2相性となり、排卵日の予測や黄体機能不全の診断などに用いられる。 | |
偽妊娠療法 | ぎにんしんりょうほう | pseudopregnancy tderapy | エストロゲンとプロゲステロンの合剤を投与し、人為的に妊娠中と類似したホルモン環境を作る治療法。子宮内膜症や月経困難症の治療に用いられる。 | |
機能性子宮出血 | きのうせいしきゅうしゅっけつ | functional uterine bleeding | 器質性疾患を認めない子宮からの不正出血のこと。多くはホルモン異常による。 | |
機能性不妊症 | きのうせいふにんしょう | unexplained infertility | いわゆる原因不明不妊症のこと。原因がないわけではなく、現在の医学では原因が特定できない状態。 | |
希発月経 | きはつげっけい | oligomenorrhea | 月経頻度が異常に少ない状態。39日以上3カ月以内のものをいう。それ以上は無月経と呼ばれる。 | |
偽閉経療法 | ぎへいけいりょうほう | pseudomenopause tderapy | GnRHアゴニストを用いて下垂体と卵巣機能を抑制する治療法。主に子宮内膜症に用いられる。 | |
急速ガラス化法 | きゅうそくがらすかほう | Vitrification | 胚凍結法の一種。いわゆるフリーズドライで、この方法の開発により胚へのダメージが少なくなり凍結融解胚移植の治療成績が向上した。 | |
クエン酸クロミフェン | くえんさんくろみふぇん | CC | 排卵誘発剤の一種。卵胞ホルモンの働きを抑え、下垂体から分泌されるFSHを増やすことで、排卵を促す作用がある。視床下部性排卵障害やPCOSの第一選択である。 | |
クラインフェルター症候群 | くらいんふぇるたーしょうこうぐん | Klinefelter's syndrome | 性染色体異常で、一個のY染色体と2個以上のX染色体とからなる(最多は47XXY)。外性器は男性型。無精子症のため男性不妊の原因となる。 | |
クラミジア感染 | くらみじあかんせん | chlamydial infection | 性交渉により感染をひろげる性感染症(STD)の一種。上行性に子宮内膜や卵管粘膜に感染し、卵管性不妊の原因になることもある。クラミジアに感染している場合は、パートナーも治療が必要である。 | |
経口避妊薬 | けいこうひにんやく | oral contraceptives | OC、ピル | 女性が避妊の目的で服用するステロイドホルモン剤。ステロイドホルモンの中枢作用による排卵抑制が主な作用機序である。近年は低用量ピルが開発され副作用が少なくなってきている。 |
稽留流産 | けいりゅうりゅうざん | missed abotion | 胎芽あるいは胎児が子宮内で死亡後、症状もなく子宮内に停滞している状態。通常流産手術が必要となる。 | |
月経 | げっけい | menstruation | 生理 | 約1か月の間隔で自発的に起こり、限られた日数で自然に止まる子宮内膜が破綻することによる周期的出血。正常月経周期は25-38日である。 |
月経困難症 | げっけいこんなんしょう | dysmenorrhea | 生理痛 | 月経期間中に月経に随伴して起こる病的症状。下腹部痛や腰痛だけでなく、頭痛や嘔気など様々な症状を呈する。 |
月経前緊張症候群 | げっけいぜんきんちょうしょうこうぐん | PMS | 月経前、黄体期の間に起こる精神的あるいは身体的症状のこと。経口避妊薬による排卵抑制や、近年では抗うつ剤であるSSRIなども効果があるとされる。 | |
血中ホルモン値 | けっちゅうほるもんち | Serum hormone | 排卵や妊娠成立には、下垂体や卵巣などの多くのホルモンが関与している。採血で値をみることによりその状態を把握することができる。 | |
原始卵胞 | げんしらんぽう | primordial follicle | 卵巣に入っている卵子のもとになる袋のこと。生まれつき数が決まっており出生時に100-200万個だが、40歳前後には5-6万個まで減少する。 | |
原発性不妊 | げんぱつせいふにん | primary infertility | 一人目不妊 | 今までに一度も妊娠した経験のない不妊症のこと。 |
原発性無月経 | げんぱつせいむげっけい | primary amenorrhea | 満18歳を迎えても初経の起こらないこと。 | |
顕微授精法 | けんびじゅせいほう | ICSI | 卵細胞質内精子注入法 | 顕微鏡でみながら卵子に特殊な針を用いて精子を直接注入して受精させる方法。受精障害や重度の男性不妊症などが適応となる。 |
抗精子抗体 | こうせいしこうたい | antisperm antibody | 精子の運動を阻害する抗体。これがあると精子が子宮内を登って行かなくなるため不妊症となる。顕微授精の適応。 | |
更年期 | こうねんき | climacterium | 閉経の前後5年間のこと。生殖期から老年期への移行期である。 | |
更年期障害 | こうねんきしょうがい | climacteric disturbance | 更年期症状、卵巣欠落症状 | 更年期に現れる日常生活に支障をきたす症状。主たる原因は卵巣機能の低下で発汗、のぼせ、ホットフラッシュや肩こり、腰痛、頭痛またはうつ症状まで多種多様な症状を呈する。 |
高プロラクチン血症 | こうぷろらくちんけっしょう | hyperploractinemia | 血中のプロラクチンの値が基準より高い状態のこと。これにより、排卵が遅れたり、黄体機能不全になったりすることがある。その際は、ブロモクリプチン(パーロデルなど)やテルグリド(テルロンなど)の服用が必要となる。 | |
抗リン脂質抗体 | こうりんししつこうたい | APA | 細胞質の構成成分であるリン脂質に対する自己抗体。 | |
抗リン脂質抗体症候群 | こうりんししつこうたいしょうこうぐん | APS | 抗リン脂質抗体が確認され、血栓症や異常妊娠を認める症候群のこと。異常妊娠としては10週未満の原因不明の習慣流産や、1回以上の34週未満原因不明死産などのことである。 | |
枯死卵 | こしらん | blighted ovum | 稽留流産のうち胎嚢内に胎芽や胎児像が見られない場合、枯死卵という。 | |
骨粗しょう症 | こつそしょうしょう | osteoporosis | 骨カルシウム量の減少により、骨がもろくなり骨折しやすくなった状態。閉経後女性は、エストロゲン欠乏により骨吸収が促進しこの状態が多くなる。 | |
骨盤腹膜炎 | こつばんふくまくえん | PID | 骨盤腹膜に限局した炎症のこと。子宮や卵管の感染から波及して発症することが多い。抗生剤投与で軽快しない場合外科的治療が必要になることもある。 | |
ゴナドトロピン | ごなどとろぴん | gonadotropin | 性腺に作用し発育促進させるホルモン。下垂体のLHやFSH、胎盤から産生されるhCGがある。hMG製剤もゴナドトロピンの1種である。 |
用語 | よみがな | 英文 | 同義語 | 用語解説 |
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採卵 | さいらん | OPU | 体外受精の際、卵子を採取する手術のこと。通常、経腟超音波ガイド下に卵巣内の成熟した卵胞に針を刺し、卵胞の中にある卵胞液と卵子を吸引・回収する。 | |
子宮外妊娠 | しきゅうがいにんしん | extrauterine pregnancy | 異所性妊娠 | 受精卵が子宮腔以外のところに着床し生育した状態のこと。このうち98%が卵管妊娠である。放置すると破裂し出血性ショックを起こすこともあり、緊急手術が必要となる場合もある。 |
子宮鏡 | しきゅうきょう | hysteroscope | ヒステロスコープ | 子宮頚部から挿入し子宮腔内を調べる内視鏡のこと。 |
子宮鏡手術 | しきゅうきょうしゅじゅつ | TCR | レゼクトスコープ | 子宮鏡を用いて粘膜下筋腫や内膜ポリープを摘出・切除する方法。 |
子宮筋腫 | しきゅうきんしゅ | myoma uteri | 子宮の筋組織から発生する良性腫瘍。筋腫ができる場所によってそれぞれ「粘膜下筋腫」「筋層内筋腫」「漿膜下筋腫」と呼ばれる。不妊の原因となりやすいのは粘膜下筋腫である。 | |
子宮筋腫核出術 | しきゅうきんしゅかくしゅつじゅつ | myomectomy | 子宮を温存するため、子宮筋腫だけを取り除く手術。近年、腹腔鏡下で行う方法も急速に普及してきている。 | |
子宮頚管粘液 | しきゅうけいかんねんえき | CM | 子宮頚部からの分泌物。エストロゲンの影響を受け、排卵直前に粘稠度と分泌量がともに増加し、精子が登ってきやすくなる。 | |
子宮頚管粘液検査 | しきゅうけいかんねんえきけんさ | cervical mucus test | 頚管粘液には、精子をスムーズに子宮内に取り入れる働きがあり、排卵日が近くなるにつれ分泌が増加する特徴がある。そのため頚管粘液検査は、排卵日の予測することを目的としている。 | |
子宮頚管ポリープ | しきゅうけいかんぽりーぷ | cervical polyp | 子宮頚部に発生する良性病変。多くは単発性で大豆大以下、易出血性である。捻断して摘出できることが多い。 | |
子宮性無月経 | しきゅうせいむげっけい | uterine amenorrhea | アッシャーマン症候群 | 子宮の異常が原因の無月経。子宮腔の癒着が原因のものをアッシャーマン症候群と呼ぶ。 |
子宮腺筋症 | しきゅうせんきんしょう | adenomyosis uteri | 子宮体部に発生した子宮内膜症のこと。子宮全体がびまん性に腫大するため、境界明瞭な子宮筋腫と違い手術療法が困難となる。 | |
子宮内胎児死亡 | しきゅうないたいじしぼう | IUFD | 妊娠週数を問わず、子宮内で胎児生存が確認された後胎児が死亡した状態。 | |
子宮内膜 | しきゅうないまく | endometrium | 子宮壁の最内層部で、子宮腔を形成している粘膜のこと。月経周期によって変化し着床するのもここである。 | |
子宮内膜症 | しきゅうないまくしょう | endometriosis | エンドメトリオーシス | 子宮内膜様組織が何らかの原因で子宮腔内以外の組織や臓器に発生する病態。卵巣にできた場合はチョコレート嚢胞、子宮の筋層にできた場合は子宮腺筋症と呼ばれる。特徴的な月経痛、排便痛、性交痛等の症状があるほか、約50%が不妊症になるとされる。 |
子宮内膜日付診 | しきゅうないまくひづけしん | endometrial dating | 子宮内膜細胞の変化を調べ、排卵の有無や黄体機能不全を調べる方法。やや侵襲が強いため最近では行われなくなってきている。 | |
子宮卵管造影検査 | しきゅうらんかんぞうえい | HSG | 卵管疎通性検査 | 子宮の入り口から管を挿入し、造影剤を注入して子宮腔の形状、卵管の通過性、卵管周囲癒着などを調べる検査。 |
シクロフェニル | しくろふぇにる | cyclofenil | クロミフェンと似た経口の排卵誘発剤。クロミフェンと比べて排卵誘発効果は弱いが、副作用も少ない。 | |
視床下部 | ししょうかぶ | hypotdalamus | 下垂体ホルモンを放出または抑制するホルモンを分泌する。視床下部-下垂体-卵巣系の絶妙な調節により女性の性周期が維持されている。 | |
視床下部性無月経 | ししょうかぶせいむげっけい | hypotdalamic amenorrhea | 無月経の原因が視床下部にあるものをいう。GnRH分泌異常による。 | |
自然周期 | しぜんしゅうき | natural ovulatory cycle | 自然排卵周期 | 排卵誘発剤を使用せずに排卵が起こる周期。近年では体外受精でも自然周期採卵が増えてきている。 |
自然流産 | しぜんりゅうざん | spontaneous abortion | 妊娠22週未満で人工的操作を加えることなく、妊娠が終結すること。 | |
習慣流産 | しゅうかんりゅうざん | habitual abortion | 不育症 | 連続3回以上自然流産を繰り返した状態。 |
授精 | じゅせい | insemination | 性行為以外の方法で行われる受精法のこと。 | |
受精 | じゅせい | fertilization | 女性の卵子と男性の精子が結合し、細胞質と核が融合ししん生命が発生する現象のこと。 | |
受精障害 | じゅせいしょうがい | fertilize disfunction | 精子の運動率がよくない、数が少ない等の原因により、受精がうまくいかないこと。この場合、顕微授精が適用される。 | |
受精能獲得 | じゅせいのうかくとく | capacitation | 射出直後の精子は受精できる状態にはなく、子宮や卵管内で一定時間経過しなければならない。このように精子が受精能力を獲得する現象を受精能獲得という。 | |
出生前診断 | しゅっせいぜんしんだん | prenatal diagnosis | 染色体や遺伝子の異常による疾患や胎児奇形の有無について出生前の段階で検査する診断法。着床前診断、クアトロテスト、絨毛検査、羊水検査、胎児臍帯血検査、超音波検査などがある。 | |
授乳性無月経 | じゅにゅうせいむげっけい | lactation amenorrhea | 産褥無月経 | 産後6週間(産褥期)を過ぎても授乳が原因で無月経が続いているもの。通常は6カ月程度で月経が再開するが、授乳を止めなければ再開しないこともある。 |
消退出血 | しょうたいしゅっけつ | WDB | エストロゲンやプロゲステロンが急激に減少することによって惹起される子宮出血のこと。ピルを飲んだ後に起こる出血も消退出血である。 | |
ショート法 | しょーとほう | short protcol | 体外受精の際に用いる、排卵を誘発するための卵巣刺激法。月経開始と同時にGnRHアゴニスト(スプレキュア、ナサニールなど)を使用し、月経3日目あたりからゴナドトロピン注射を使用する。 | |
初経 | しょけい | menarche | 初潮 | 初めて月経が発来すること。わが国では平均12歳である。 |
神経性食欲不振症 | しんけいせいしょくよくふしんしょう | anorexia nervosa | 思春期の女子に好発し、心因性に発症する。摂食異常とやせ、月経異常、特に無月経を特徴とする症候群である。 | |
人工授精 | じんこうじゅせい | IUI,AIH | 配偶者間人工授精の項参照。 | |
進行流産 | しんこうりゅうざん | progressive abortion | 胎芽や胎児はまだ排出されていないが、子宮頚管が開大、出血も増量し流産が開始している状態。通常保存治療の対象とはならない。 | |
精液検査 | せいえきけんさ | sperm analysis | 精子検査 | 一定の禁欲期間をおいたあと、マスターベーションによって採取した精液の量や精子濃度、運動率、奇形率などを調べること。正常値(WHO2010)は、精液量 1.5ml以上精子濃度 3,900万/ml以上運動率 40%以上。 |
精索静脈瘤 | せいさくじょうみゃくりゅう | Varicocele | 精子を運ぶ精管の周りの静脈が拡張し、瘤のような状態になること。精巣からの血液の流れが阻害され、造精機能が低下するといわれている。 | |
精子減少症 | せいしげんしょうしょう | oligozoospermia | 乏精子症 | 精液1ccあたりの精子数が正常基準地に満たない症例のこと。精子濃度が3,900万/ml未満(WHO2010)。 |
精子無力症 | せいしむりょくしょう | astdenozoospermia | 精液中の精子の運動性が正常基準に満たない症例のこと。運動精子が40%未満(WHO2010)。 | |
成熟分裂 | せいじゅくぶんれつ | maturation division | 減数分裂 | 生殖細胞が配偶子を形成するときに行う特殊な細胞分裂のこと。これに対し通常の細胞分裂を有糸分裂という。 |
成熟卵胞 | せいじゅくらんぽう | mature follicle | グラーフ卵胞 | 排卵準備のできた卵胞。20mm前後となり、超音波で低輝度に容易に描出される。体外受精の採卵時にこの状態となる。 |
生殖補助医療 | せいしょくほじょいりょう | ART | 体外受精や顕微授精といった、専門的かつ特殊な医療技術の総称。広い意味では人工授精もこれに含まれる。 | |
性染色体 | せいせんしょくたい | sex chromosome | 性の決定を預かる染色体、ヒトでは46本のうち2本で女性はXX、男性はXYである。 | |
精巣 | せいそう | Testicle | 睾丸 | 男性の陰嚢内にある左右一対の卵形をした器官。精巣では精子がつくられ、またホルモン産生が行われている。 |
精巣内精子採取術 | せいそうないせいしさいしゅじゅつ | TESE | 無精子症の患者の精巣から針などで採取すること。通常は凍結され、顕微授精に使用される。 | |
切迫流産 | せっぱくりゅうざん | tdreatened abortion | 妊娠22週未満で胎芽や胎児が排出されておらず子宮口も閉鎖している状態で、少量の子宮出血を認めること。下腹部痛の有無は問わない。 | |
染色体異常 | せんしょくたいいじょう | chromosome aberration | 染色体の構造や数の異常のこと。ダウン症候群や18トリソミー、ターナー症候群などがある。 | |
先体反応 | せんたいはんのう | acrosome reaction | 受精能獲得した精子が卵子の周りにある透明帯を通過する際、先体と呼ばれる精子頭部から酵素を放出し、透明帯を溶かしていく。これを先体反応という。受精が起こるために不可欠である。 | |
双角子宮 | そうかくしきゅう | uterus bicornis | 子宮の重複奇形の一種で、子宮体部が癒合せず二つに分かれているものをいう。頚部が分かれているかどうかで単頸双角子宮と双頚双角子宮とよぶ。 | |
造精機能不全 | ぞうせいきのうふぜん | Spermatogenic dysfunction | 精子の運動率が良くない、数が少ない等、精子をつくる機能に何らかの障害があること。 | |
早発月経 | そうはつげっけい | premature menstruation | 10歳未満で初経がはじまるものをいう | |
早発閉経 | そうはつへいけい | POF | 早発卵巣不全 | 40歳未満で自然閉経を迎えたものをいう。 |
続発性不妊 | ぞくはつせいふにん | secondary infertility | 二人目不妊 | 妊娠、出産歴はあるものの、その後妊娠を望んでもなかなか妊娠に至らないこと。 |
続発性無月経 | ぞくはつせいふにんしょう | secondary amenorrhea | これまであった月経が3カ月以上停止したものをいう。 |
用語 | よみがな | 英文 | 同義語 | 用語解説 |
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ターナー症候群 | たーなーしょうこうぐん | Turner's syndrome | 女性の2本のX染色体のうち1本が全欠失または一部欠失した染色体異常。低身長、性腺機能不全、および翼状頸などを3主徴とする症候群。 | |
第一度無月経 | だいいちどむげっけい | amenorrhe first grade | 無月経の重症度の分類の一つで、プロゲステロンの負荷のみで消退出血を起こしえる程度の無月経をいう。 | |
胎芽 | たいが | embryo | 妊娠10週未満の胎児を胎芽と呼ぶ。妊娠10週以降では胎児と呼ぶが、胚と胎芽の明確な区分けはない。 | |
体外受精・胚移植 | たいがいじゅせい・はいいしょく | IVF・ET | 体外受精胚移植の項参照。 | |
胎児 | たいじ | fetus | 妊娠10週以降から娩出されるまで、母体の子宮内にある児をいう。 | |
体重減少性無月経 | たいじゅうげんしょうせいむげっけい | amenorrhea due to weight loss | 短期間に体重が減少することによって引き起こされる無月経をいう。3-6カ月以内に元の体重の15-20%以上減少すると無月経になることが多い。 | |
第二度無月経 | だいにどむげっけい | amenorrhe second grade | 無月経の重症度の分類の一つで、プロゲステロンでは消退出血が起きず、エストロゲンを併用してはじめて消退出血が誘発できる無月経のこと。 | |
胎嚢 | たいのう | GS | 妊娠初期の超音波において、妊卵の外周がリング状の構造として描出される部分のこと。妊娠5週前半から見えることが多く、いわゆる赤ちゃんのお部屋である。 | |
タイミング指導 | たいみんぐしどう | Timed intercourse | 基礎体温や超音波により計測した卵胞径、血中・尿中のLH値などから排卵日を予測し、性交のタイミングを指導すること。 | |
代理懐胎 | だいりかいたい | surrogacy | 何らかの理由により子宮や卵巣がなく、自分で妊娠することが不可能な場合に、第三者の女性に妊娠・出産してもらうこと。代理母と借り腹に分けられる。それぞれの項目参照。 | |
代理母 | だいりはは | traditional surrogasy | サロゲートマザー | 夫の精子を第三者の女性に人工授精して出産すること。代理母と生まれてくる子供の間に遺伝的なつながりが生じる。 |
ダウン症候群 | だうんしょうこうぐん | Down's syndrome | 21トリソミー | 21番染色体が1本多くなった染色体異常が原因で発生する先天異常症候群。特徴的な顔貌と知能障害、心臓の奇形など様々な症状を呈する。 |
多精子受精 | たせいしじゅせい | polyspermy | 1個の卵子に2個以上の精子が侵入する現象。通常は早期に胚発生が停止するが、まれに3倍体として部分胞状奇胎となることもある。 | |
多胎妊娠 | たたいにんしん | multiple pregnancy | 2つ以上の胎児が同時に子宮内に存在する状態。多胎妊娠は単胎妊娠に比し、明らかに母児ともに合併症を伴いやすく、早産の頻度も高くなる。 | |
脱落膜 | だつらくまく | decidua | 分泌期にある子宮内膜の機能層が妊卵の着床により肥大増殖したもの。 | |
多嚢胞性卵巣症候群 | たのうほうせいらんそうしょうこうぐん | PCOS | 両側卵巣は腫大・肥厚・多嚢胞化し、月経異常や不妊に多毛・男性化・肥満などを伴う症候群。診断基準は超音波による卵巣の多嚢胞化、LH/FSH比の上昇、月経異常である。クロミフェンが第一選択だが無効なことも多く、ゴナドトロピン療法だとOHSSになりやすい。腹腔鏡による卵巣多孔術も効果がある。 | |
遅発月経 | ちはつげっけい | delayed menstruation | 15歳以降18歳未満に初経が発来したもの。 | |
遅延排卵 | ちはつはいらん | delayed ovulation | 月経開始21日以降に排卵が起こること。 | |
遅発閉経 | ちはつへいけい | delayed menopause | 55歳以降に閉経が起きたもの。 | |
着床 | ちゃくしょう | implantation | 胚盤胞になって子宮内膜に侵入した受精卵と母体の間に器質的な結合が成立した状態のこと。 | |
着床前診断 | ちゃくしょうぜんしんだん | PGD | 体外受精によって得られた初期胚(通常4-8細胞期)から顕微鏡操作で1-2割球を採取して、染色体や遺伝子を検査する方法。 | |
超音波検査 | ちょうおんぱけんさ | Ultrasonography | エコー | 周波数の高い音波(超音波)を臓器に発信し、その反射波をコンピューターで画像化する検査。不妊治療においては一般的に膣の方から行い、内膜の状態や卵胞の発育等を観察する。 |
チョコレート嚢胞 | ちょこれーとのうほう | chocolate cyst | 子宮内膜症性嚢胞、タールシスト | 子宮内膜症の病巣が卵巣内部にあり嚢胞形成のあるものをいう。ないようは月経血様の壊死物質でチョコレート色の液体なのでこの名がある。 |
つわり | つわり | emesis gravidarum | 妊娠によって起こる消化器系の症状の総称。その程度が増悪し栄養状態が侵されるようになれば妊娠悪阻である。 | |
転座 | てんざ | translocation | 染色体の一部が切断し位置を変え、相同の染色体上あるいはほかの染色体上に再結合する染色体異常のこと。一部の不妊症や習慣流産の原因となる。 | |
透明帯 | とうめいたい | zona pellucida | 哺乳類卵子の卵細胞膜外側を取り囲む膜で、機械的な損傷から卵を保護したり、多精子受精を防止する役目がある。 | |
トリソミー | とりそみー | trisomy | 1対の相同染色体以外にこれと同じ染色体がもう1本余分に存在するときこれをトリソミーという。ダウン症候群や18トリソミー、13トリソミー、クラインフェルター症候群などが知られている。 |
用語 | よみがな | 英文 | 同義語 | 用語解説 |
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内分泌撹乱物質 | ないぶんぴつかくらんぶっしつ | EED | 環境ホルモン | 動物の体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれる正常なホルモンの働きに影響を与える外因性の物質。実験動物で生殖異変を敷き起こす可能性が指摘されているが、ヒトへの影響は不明である。 |
二段階胚移植 | にだんかいはいいしょく | two step embryo transfer | 一周期のうちに培養2-3日目の分割期胚と、胚盤胞を2回移植する方法。近年は単一胚移植が推奨されており、最近はあまり行われていない。 | |
乳汁漏出症 | にゅうじゅうろうしゅつしょう | lactorrhea | 授乳期以外で乳汁の分泌があるものをいう。高プロラクチン血症が原因となることもある。 | |
二卵性双胎 | にらんせいそうたい | dizygotic twins | 2個の卵子が同時に受精し、同時に発育することによって生じる。よって羊水腔も完全に独立し、胎盤も2つである。 | |
妊娠 | にんしん | pregnancy | 受精卵の着床から始まり、胎芽または胎児および附属物の排出をもって終了するまでの状態。 | |
妊娠悪阻 | にんしんおそ | hyperemesis gravidarum | つわりの症状が悪化し、食物の摂取が損なわれ栄養障害をきたし、体重減少のほか種々の症状をきたし治療が必要になった状態。 | |
妊娠診断法 | にんしんしんだんほう | diagnosis of pregnancy | hCG測定法、超音波を応用して初期妊娠を診断する。妊娠4週以降で尿中hCGが陽性となり、5週以降で超音波で胎嚢が確認できることが多い。 | |
妊娠反応 | にんしんはんのう | test of pregnancy | 妊娠初期からhCGが尿中に排泄されるので、これを定性的に検出して妊娠の有無を調べる検査。 |
用語 | よみがな | 英文 | 同義語 | 用語解説 |
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胚移植 | はいいしょく | ET | 体外受精・胚移植の項参照。 | |
配偶者間人工授精 | はいぐうしゃかんじんこうじゅせい | AIH | 注入精液の提供者が配偶者である人工授精のこと。 | |
配偶子卵管内移植 | はいぐうしらんかんないいしょく | GIFT | 採卵後迅速に良好な卵子を選択し、その後腹腔鏡を用いて成熟卵子とともに約5-10万個の精子を直接健康な卵管内へ移植する方法。 | |
胚凍結 | はいとうけつ | Embryo Cryopreservation | 受精卵凍結 | 液体窒素を用いて受精卵を凍結保存すること。体外受精時の余剰胚の有効活用や着床率の向上、OHSSの予防のために利用される。現在ではほとんどが急速ガラス化法が用いられている。 |
胚盤胞移植 | はいばんほういしょく | BT | 受精卵を着床直前の段階(胚盤胞)まで5~6日間培養してから胚移植を行う方法。移植あたりの着床率が高いことから、単一胚盤胞移植にすることで、多胎予防にもなる。欠点としてすべての胚が胚盤胞まで至らない場合、胚移植できなくなることがあげられる。 | |
排卵 | はいらん | ovulation | 卵巣内の卵胞がゴナドトロピンの作用で次第に発育し、その成熟が頂点に達すると卵巣の表面が破裂し内部の卵子、卵胞液、顆粒膜細胞などが卵胞から排出される。この現象を排卵とよぶ。 | |
排卵期出血 | はいらんきしゅっけつ | ovulation bleeding | 排卵直前期にエストロゲンが急激に低下するため、排卵時に少量の出血がおこることがある。また一説には排卵時の卵胞出血が逆流して出てくるともいわれる。 | |
排卵障害 | はいらんしょうがい | Ovulatory disfunction | さまざまな理由・原因により排卵が起こらないこと。PCOSや視床下部性、下垂体性、卵巣性などの原因がある。 | |
排卵の予測 | はいらんのよそく | prediction of ovulation | 超音波を用いて計測した卵胞径や、血中LHやエストラジオール値などを用いて、排卵を予測することが多い。基礎体温では、低温相最終日、あるいは高温相初日が排卵の目安とされる。 | |
排卵誘発剤 | はいらんゆうはつざい | Ovulation induction | 卵胞発育を刺激し、排卵を促す薬。注射薬にゴナドトロピン製剤(hMG、FSH、hCG)、経口薬にクロミフェンなどがある。 | |
排卵誘発周期 | はいらんゆうはつしゅうき | COH | 過排卵 | クロミフェンやゴナドトロピン製剤を使用して多数の卵胞を発育させ排卵させる周期。体外受精胚移植の場合は通常排卵誘発周期で行う。多胎妊娠やOHSSの副作用がある。 |
排卵抑制 | はいらんよくせい | inhibition of ovulation | 避妊目的やエストロゲン依存性疾患の治療目的で排卵を抑制すること。低用量ピルやGnRHアゴニスト、ディナゲストなどがある。 | |
破たん出血 | はたんしゅっけつ | breaktdrough bleeding | エストロゲンまたはエストロゲンプロゲステロンの一定量を持続的に投与すると子宮出血をきたすことがある。 | |
発育卵胞 | はついくらんぽう | developing follicle | 原始卵胞から成熟卵胞にまで発育する中間の段階のこと。 | |
バニシングツイン | ばにしんぐついん | vanishing twin | 妊娠初期に双胎と診断された後、一方が消失してしまったもの。少量の性器出血を伴うことがあるが、残存児には影響しない。 | |
反復流産 | はんぷくりゅうざん | recurrent abortion | 2回連続で自然流産すること。 | |
ピックアップ障害 | ぴっくあっぷしょうがい | oocyte pick up disorder | 卵管采の形が変形していたり、卵管が腹腔内に癒着していたりする場合、卵子の取り込みができなくなりピックアップ障害と呼ぶ。続発性不妊症の原因に多いとされている。 | |
ヒト絨毛性ゴナドトロピン | ひとじゅうもうせいごなどとろぴん | hCG | 排卵を促進するホルモン。黄体化ホルモン(LH)と同様の作用がある。黄体機能賦活剤や排卵誘発剤として利用されている。 | |
ヒト閉経後ゴナドトロピン | ひとへいけいごごなどとろぴん | hMG | 閉経後の女性の尿から抽出した排卵誘発剤。排卵刺激作用が非常に強いことで知られている。主な構成成分は排卵刺激ホルモン(FSH)と黄体化ホルモン(LH)で、その割合は製品によって異なる。 | |
非配偶者間人工授精 | ひはいぐうしゃかんじんこうじゅせい | AID | 注入精液の提供者が非配偶者(ドナー)である人工授精のこと。 | |
皮様嚢腫 | ひようのうしゅ | dermoid cyst | 成熟奇形腫、デルモイドシスト | 胎生期の内中外胚葉性の成熟成分のみで構成されている良性の卵巣腫瘍。従って、腫瘍内容は毛髪や脂肪、骨などの成分で構成される。比較的若い年代からよく発見され、茎捻転などを起こし易いので摘出術をすることが多い。 |
頻発月経 | ひんぱつげっけい | polymenorrhea | 月経周期が極端に短縮したものをいう。 | |
不育症 | ふいくしょう | recurrent pregnancy loss | 習慣流産 | 妊娠しても流産や早産を繰り返し、生児が得られないこと。一部の不妊症、着床障害も含まれる。抗リン脂質抗体症候群や凝固障害、内分泌障害などが原因となる。 |
フーナーテスト | ふーなーてすと | Huhner Test,PCT | 性交後検査、ヒューナーテスト | 排卵前後に夫婦生活をもち、精子と頚管粘液の適合性を調べる検査。いわゆる夫婦の相性を見る検査。 |
孵化補助 | ふかほじょ | AHA | 透明帯を機械的、化学的に菲薄化させ孵化しやすくさせる方法。着床障害や凍結融解胚移植などの場合に行われる。 | |
腹腔鏡 | ふくくうきょう | laparoscope | 腹部に小さな穴をあけ、そこから内視鏡を入れて腹腔内を観察する検査。卵管・卵巣の形態や子宮内膜症病変などを調べることができる。卵巣嚢腫や子宮内膜症などの手術をすることもできる。 | |
不全流産 | ふぜんりゅうざん | missed abortion | 流産の際、胎芽あるいは胎児が完全に排出されず、子宮口が閉鎖しないで出血などの症状が持続している状態。 | |
不妊症 | ふにんしょう | infertility | 生殖年齢の男女が妊娠を希望して2年以上性生活を行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみないこと。 | |
プロゲステロン | ぷろげすてろん | P4 | 黄体ホルモン | 黄体ホルモン。排卵後の卵胞が黄体となり分泌する。子宮内膜を着床可能な状態にするのに欠かせないホルモンである。 |
プロラクチン | ぷろらくちん | PRL | 乳汁を分泌させる下垂体ホルモンで、通常は分娩後の授乳期に分泌される。プロラクチンの値が高いと、排卵障害や黄体機能不全などの原因になる。 | |
分娩予定日 | ぶんべんよていび | EDC | 最終月経初日から280日を加えた日。月経不順がある場合、妊娠初期の胎芽の大きさから修正されることもある。体外受精などで排卵日や胚移植日が分かっている場合は排卵日から266日を加えた日となる。 | |
閉経 | へいけい | menopause | 女性が性成熟期の終わりに達し、更年期となり卵巣の活動が次第に消失し、ついには月経が永久に停止した状態。わが国の平均閉経年齢は50.5歳である。 | |
閉鎖卵胞 | へいさらんぽう | atretic follicle | 月経周期の初期には多くの卵胞が育ってきているが、主席卵胞以外は成熟から排卵に至らず変性に陥ってしまう。このような卵胞を閉鎖卵胞という。 | |
ホルモン補充周期 | ほるもんほじゅうしゅうき | HRT cycle | 凍結融解胚移植時にホルモン補充のみで子宮内膜を増殖、分泌期の状態にさせ、着床させる方法。近年凍結技術が発達し、排卵周期と遜色ない成績が得られている。排卵障害や閉経後でも理論的には妊娠可能となる。 | |
ホルモン補充療法 | ほるもんほじゅうりょうほう | HRT | エストロゲン欠乏に伴う諸症状や疾患の予防や治療を目的にエストロゲン製剤を投与する治療の総称。子宮のある女性では子宮内膜癌の発生を増加させないためプロゲステロン製剤を併用する。 |
用語 | よみがな | 英文 | 同義語 | 用語解説 |
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未熟卵体外成熟培養 | みじゅくらんたいがいせいじゅくばいよう | IVM | 直径7-10mmの未熟な卵胞から未熟卵子を吸引し、体外で培養する方法。成熟卵となれば体外受精に供する。 | |
無月経 | むげっけい | amenorrhea | 周期的な月経が発来すべき年齢層の女性において月経がない状態をいう。病的なものとは限らず、妊娠、授乳期は生理的無月経になる。 | |
無精子症 | むせいししょう | azoospermia | 精液中に精子が全く認められないこと。精管が詰まっているなど、精子の輸送が障害されている場合(閉塞性無精子症)と、精管には問題ないが、造精機能が低下している場合(非閉塞性無精子症)がある。 | |
無排卵周期症 | むはいらんしゅうきしょう | anovulatory cycle | 月経はあるが排卵を伴わないものをいう。思春期や閉経前に多くみられる。 | |
メトフォルミン | めとふぉるみん | Metformin | もとは糖尿病治療薬であるが、PCOSの原因の一つと考えられているインスリン抵抗性を改善させ、排卵障害の治療に用いられることがある。 | |
免疫性不妊 | めんえきせいふにん | immunologic infretility | 女性、男性どちらか一方、もしくは両方が有する異常抗体により、妊娠に至りにくい状態を指す。抗体の異常により、卵子の発育が悪くなったり、精子の運動や受精能力が障害されたりする。代表的なものに抗精子不動化抗体や抗リン脂質抗体がある。 | |
モノソミー | ものそみー | monosomy | 1対の相同染色体のうち1本が一部または全部が欠失した染色体異常ををモノソミーという。X染色体のモノソミーがターナー症候群である。 |
用語 | よみがな | 英文 | 同義語 | 用語解説 |
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卵黄嚢 | らんおうのう | YS | 卵黄は胚や胎芽が独自に栄養を摂取するまでの栄養源である。この卵黄を包むのが卵黄嚢で、ヒトでは痕跡的ではあるが妊娠6週ごろから超音波でも確認できるようになる。 | |
卵管 | らんかん | fallopian tube | 子宮と卵巣をつなぐ管。卵子や精子、受精卵の輸送や発育を促す。 | |
卵子 | らんし | oocyte | 雌性の配偶子、すなわち雌性の生殖細胞(卵細胞)およびその付属物の総称。また、鶏卵など卵殻に包まれた状態で雌から産み出されたものも一般に卵(たまご)と呼ぶ。 | |
卵子提供 | らんしていきょう | oocyte donation | 第3者から卵子の提供を受けて体外受精に用いること。欧米では卵子提供に関する法が整備されている国が多いが、日本では法規制がない。精子提供はすでに実施されているが、日本産科婦人科学会は、法律上の夫婦以外の卵子を使っての体外受精を認めていない。 | |
卵巣 | らんそう | ovary | 子宮の両側に対称的に存在し、卵子の生成、成熟、排卵を行う生殖器官。またエストロゲンやプロゲステロンなどを分泌する内分泌器官でもある。 | |
卵巣過剰刺激症候群 | らんそうかじょうしげきしょうこうぐん | OHSS | 排卵誘発剤の使用によって生じる副作用。主なものとして、腹水、卵巣腫大、乏尿、血栓などが挙げられる。また、妊娠すると重症化しやすく、場合によっては入院が必要となる。 | |
卵巣出血 | らんそうしゅっけつ | ovarian bleeding | 卵巣からの出血が腹腔内に貯留し、下腹部痛を主とした症状を呈する疾患。黄体期に発生することが多く、重症の場合には外科的治療が必要になることもある。 | |
卵巣性無月経 | らんそうせいむげっけい | ovarian amenorrhea | 卵巣に原因があって無月経を呈するものをいう。したがって大部分の卵胞が閉鎖しており妊娠成立は極めて厳しくなる。 | |
卵巣のう腫 | らんそうのうしゅ | ovarian cyst | 卵巣に生ずる嚢胞状の病変の総称。そのほとんどが良性のもので、一般に悪性腫瘍は充実性部分を含む卵巣腫瘍と呼ばれて区別されることが多い。 | |
卵胞 | らんぽう | follicle | 卵巣にある、卵子を含んだ球状の細胞の集合であり、排卵によりそこから卵子が放出される。卵胞は発育段階により原始卵胞、一次卵胞、二次卵胞、三次卵胞(胞状卵胞)およびグラーフ卵胞に分けられる。排卵後の卵胞は黄体へと変化する。 | |
卵胞液 | らんぽうえき | follicular fluid | 卵胞内に貯留した淡黄色の液体。卵胞の成熟につれてその量は増加し、4-6mlにもなる。 | |
卵胞期 | らんぽうき | proliferative phase | 増殖期 | 月経終了後から排卵までの期間のこと。FSHの影響で卵胞が急激に発育、卵子を成熟させ、同時に子宮内膜が増殖し着床への準備期間となる。 |
卵胞刺激ホルモン | らんぽうしげきほるもん | FSH | 下垂体から分泌され、卵巣に作用し卵胞の成長を促す。卵巣予備能が低下すると基礎FSH値が上昇し、20mIU/mL以上になると妊娠成立は極めて困難とされる。また近年純粋な遺伝子組み換え型FSH製剤も開発されhMG製剤とともに排卵誘発に用いられる。 | |
流産 | りゅうざん | abortion | 妊娠22週未満の妊娠中絶を流産と呼ぶ。自然におこるものを自然流産、人為的に行われるものを人工流産と呼ぶ。 | |
ルテイン嚢胞 | るていんのうほう | tdeca lutein cyst | 排卵後の黄体内に液体が貯留したもので、通常片側に単房性に発生する。 | |
ロング法 | ろんぐほう | long protcol | 体外受精の際に用いる、排卵を誘発するための卵巣刺激法。月経開始1週前くらいからGnRHアゴニストを使用し、月経3日目あたりからゴナドトロピン注射を使用する。 |
英文 | フルスペル | 日本語訳 |
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AHA | Assisted Hatching | 孵化補助 |
AID | Artificial Insemination by Donor's sperm | 非配偶者間人工授精 |
AIH | Artificial Insemination by Husband's sperm | 配偶者間人工授精 |
AMH | AntiMullerian Hormone | 抗ミューラー管ホルモン |
APA | AntiPhospalipid Antibody | 抗リン脂質抗体 |
APS | AntiPhospalipid antibody Syndrome | 抗リン脂質抗体症候群 |
ART | AssitedReproductiveTechnology | 生殖補助技術 |
BBT | Basal Body Temperature | 基礎体温 |
BMI | Body Mass Index | ビーエムアイ |
BT | Blastocyst Transfer | 胚盤胞移植 |
CC | Clomiphen Citrate | クエン酸クロミフェン |
CM | Cervical Mucus | 子宮頚管粘液 |
COH | Controlled Ovarian Hyperstimulation | 過排卵誘発 |
CT | Computed Tomography | シーティー |
D&C | Dilatation & Curratage | 子宮内膜掻爬術 |
DHEA | DeHydroEpiAndrosterone | デヒドロエピアンドロステロン |
DHEAS | DeHydroEpiAndrosterone Sulfate | デヒドロエピアンドロステロン硫酸 |
E2 | Estradiol | 卵胞ホルモン |
ED | Erectile Dysfunction | 勃起不全 |
EDC | Expected Date of Confinement | 分娩予定日 |
EED | Environmental Endocrine Disruptor | 内分泌かく乱物質 |
ERT | Estrogen Replacement Therapy | 卵胞ホルモン補充療法 |
ET | EmbryoTransfer | 胚移植 |
FSH | Follicle Stimulating Hormone | 卵胞刺激ホルモン |
GIFT | Gamete IntraFallopian Transfer | 配偶子卵管内移植 |
GnRHアゴニスト | Gonadotropin Releasing Hormone Agonist | アゴニスト |
GnRHアンタゴニスト | Gonadotropin Releasing Hormone Antagonist | アンタゴニスト |
GS | Gestational Sac | 胎嚢 |
hCG | Human Chorionic Gonadotropin | ヒト絨毛性ゴナドトロピン |
hMG | Human Menopausal Gonadotropin | ヒト閉経ゴナドトロピン |
HRT | Hormone Replacement Therapy | ホルモン補充療法 |
HSG | HysteroSalpingoGraphy | 子宮卵管造影 |
ICSI | IntraCytoplasmic Sperm Injection | 顕微授精 |
IUFD | IntraUterine Fetal Death | 子宮内胎児死亡 |
IUI | Intra Uterine Insemination | 子宮腔内人工授精 |
IVF | In Vitro Fertilization | 体外受精 |
IVM | In Vitro Maturation | 未熟卵体外成熟培養 |
LH | Luteinizing Hormone | 黄体化ホルモン |
LHRH | Luteinizing Hormone Releasing Hormone | 黄体化ホルモン放出ホルモン |
LMP | LastMenstrual Period | 最終月経 |
LPR | LaPaRoscope | 腹腔鏡 |
LUF | Luteinizing Unruptured Follicle | 黄体化非破裂卵胞 |
MESA | Microsurgical Epididymal Sperm Aspiration | 精巣上体精子回収術 |
OC | Oral Contraceptive | 経口避妊薬 |
OHSS | Ovarian HyperStimulation Syndrome | 卵巣過剰刺激症候群 |
OPU | Oocyte Pick Up | 採卵 |
P4 | Progesterone | プロゲステロン |
PCOS | PolyCystic Ovarian Syndrome | 多嚢胞性卵巣症候群 |
PCT | Post Coital Test | 性交後試験 |
PESA | Percutaneous Epididymal Sperm Aspiration | 経皮的精巣上体精子吸引術 |
PGD | Preimplantation Genetic Diagnosis | 着床前診断 |
PID | Pelvic Inflammatory Disease | 骨盤腹膜炎 |
PMS | PreMenstrual Syndrome | 月経前緊張症候群 |
POF | Premature Ovarian Failure | 早発卵巣機能不全 |
PRL | PRoLactin | プロクラチン |
SEET法 | Stimulation Endometrium Embryo Transfer | 子宮内膜刺激胚移植法 |
SUZI | SUbZonal sperm Injection | 囲卵膣内精子注入法 |
TCR | Trans Cervical Resectomy | 子宮鏡下手術 |
TESE | TEsticular Sperm Extraction | 精巣内精子採取術 |
WDB | WithDrawal Bleeding | 消退出血 |
YS | Yolk Sac | 卵黄嚢 |
ZIFT | Zygote IntraFallopian Transfer | 接合子卵管内移植 |